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オミクロン対応ワクチン、次世代の点鼻スプレーワクチンについて

[2022.09.07]

政府は9月からオミクロン対応ワクチンを供給するという方針ですが現場の人間には全く情報が入ってきていません。現時点ではBA1と今までの武漢株の2価ワクチンのようです。アメリカではBA5対応のワクチンが始まるようであり、日本も数カ月後にはBA5対応のワクチンが入荷されるのでは考えています。

mRNAワクチンはこれまで重症化予防に大きく貢献しました。高齢の患者さんの入院、死亡を1/100に抑える効果があり、当院に来院される方もワクチン未接種と3回接種済では発熱の程度、期間が大きく違いますし、ワクチン未接種の方でしばしば認める水分摂取も困難な激烈な咽頭痛も3回接種者ではほとんど認めません。

しかしながらmRNAワクチンの発症予防効果には限界があります。オミクロン対応ワクチンも重症化予防には貢献すると思いますが今までのワクチンと同様にブレークスルー感染を起こします。

発症予防効果を改善するにはウイルスが細胞に侵入する前に抗体でブロックすることが重要で吸入したウイルスが最初にくっつく気道粘膜での抗体価を上昇させることが重要と考えられています。既存のmRNAワクチンでは血中の抗体価は上昇させますが気道粘膜中の抗体価は期待したほど上昇しません。その結果ブレークスルー感染が起きます。

既感染の方は気道粘膜中の抗体価が上昇し、一度感染すると数ヶ月再感染しにくいのは粘膜の抗体価の上昇が大きく関与していると言われています。

現在世界中で点鼻スプレーワクチンの開発が進められていますが、それに成功すればコロナとの戦いに劇的な変化をもたらす可能性があります。しかしながらインフルエンザの点鼻ワクチンはまだ途上のようであり、コロナの点鼻ワクチンも容易に開発できるものでもなさそうです。

natureに点鼻スプレーワクチンに関しての興味深い記事がありましたのでご紹介させていただきます。

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