メタボダイエット外来
これまではマンジャロの供給不足、チルゼパチドの非糖尿病日本人肥満症患者の安全性が証明されていないとの理由で非公開としておりましたが共に解消されたため減量目的のマンジャロの自費診療を公開します。
対象は
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- BMI 25以上で肥満に起因する内科的疾患のある方でマンジャロを開始し卒業後も食事、運動を始めとした生活習慣の改善を継続できる方
- BMI 25以上で運動、食事の改善に努めたが減量に失敗した方でマンジャロを開始し卒業後も食事、運動を始めとした生活習慣の改善を継続できる方
※薬だけで楽して痩せようとする方は対象外です。
※体組成検査でマンジャロの処方が不適格と判断した場合は処方できません。
※経過中食事、運動を改善する姿勢が全くない場合処方を中止する事があります。
診療費は
マンジャロ2.5mg 20,000円(税込)/1カ月あたり
マンジャロ5.0mg 36,000円(税込)/1カ月あたり
※診察料込の自費診療です。
※オンライン診療に対応していません。
副作用、マンジャロを処方できない方に関してはこのページの中盤あたりを参照ください。
マンジャロと同じ成分で用法用量も同じである新規肥満症治療薬のゼップバウンドの日本国内での製造販売承認が2024年12月27日に認められ、2025年中に保険適応になることが決定しました。
しかしながら肥満症を保険診療で治療することの特殊性(4%といわれる肥満症人口の少なさ、肥満は怠惰が原因であるという世論、痩せ体型への不適切処方の問題)から国はゼップバウンドを一般のクリニックで処方できなくしています。市中病院や大病院で処方可能でも、処方前6ヶ月間の栄養、運動療法の指導後、おそらく1年強の期間限定処方に留まる等様々な縛りがあります。
上記のハードルの高さから保険診療で恩恵を受ける方は少数のハイリスク患者です。保険診療に制限がある事は社会保険の主旨上妥当な判断です。ゼップバウンドと有効成分が同一で用法用量も同一のマンジャロのメタボリック症候群に対しての自費診療であれば国の財政にも迷惑をかけずに食事、運動療法の併用で5mgで15%、15mgで20%の減量が可能です。
メタボ体質で肥満に起因する内科的問題(高血圧、脂質異常症、糖尿病予備軍、脂肪肝など)が顕在化し、食事運動を始めとした生活習慣の改善を自分なりに改善に努めたけれども挫折した方にとってはマンジャロの5mgは15%の体重減少が期待でき、減量し内臓脂肪が減少した結果、高血圧、脂質異常、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群の改善等、健康を取り戻す非常に頼りになる治療となります。痩せた結果、副産物としてみための改善も期待できます。糖尿病予備軍の人がこの薬で減量することで、糖尿病への移行を大幅に減らしたというデータもあります。
しかしながら何年にもわたって薬を継続することは現実的ではありません。生活習慣の改善をしないままマンジャロ卒業すると食欲が戻りリバウンドし元の木阿弥に戻りお金の無駄です。マンジャロで減量中にバランスの良い食生活に改善し有酸素運動、筋力トレーニングを継続し生活習慣の一部とし目標体重を達成後マンジャロを減量、卒業しその後も食事、運動の継続、改善に努め続ける必要があります。
マンジャロは食欲中枢に働きかけ食欲に抑制をかけます。同時に腸管運動にも抑制をかけるので胸焼け、嘔気、嘔吐、便秘、下痢の副作用が生じる可能性があります。また腸管の蠕動運動の低下により胆汁、膵液が鬱滞する可能性があり結果的に胆石胆嚢炎、膵炎のリスクを上昇させる可能性があります。
マンジャロは脳の報酬系にも作用するためアルコールの渇望にも効くことが最近報告されており、痩せたいのに、お酒をやめられない人の飲酒量が減ることは実臨床でしばしば経験します。今後アルコール使用障害の治療薬となる可能性があります。またケーキなどの甘いものをやめられない、いわば砂糖中毒のような中年女性がマンジャロ投与後甘いものに手が伸びなくなることや脂っこいものが食べれなくなるなどの食の趣向が変わることもしばしば経験します。
食欲を抑制し、5mgで15%の体重減少が期待できるマンジャロ(チルゼパチド)を用いたダイエット治療を行います。
自費診療のため治療費は高額ですが、食事、運動を始めとした生活習慣の改善にマンジャロを加えると、減量の成功率が上がります。体重が減少すると、血圧の改善、肝機能の改善、内臓脂肪の減少、睡眠時無呼吸症候群の寛解、そして見た目の改善なども期待できます。
しかしながら吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの消化器関連の副作用も比較的高率に発生します。
胆石胆嚢炎、膵炎の既往のある方はマンジャロ使用により症状が再発する可能性が高まるため処方できません。
うつ病などのメンタルの病気の既往あるいは現在治療中の人も疾患が悪化する可能性があるため処方できません。
妊婦、授乳中の方も処方できません。
新薬のため中長期的に予期せぬ副作用が出る可能性は否定できませんが院長は常に最新の論文をチェックしリスクが許容できないレベルと判断した場合は処方を中止する可能性があります。
自費処方の場合は保険診療と違い副作用による健康被害が出た際の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
ダイエットで一番大事なのは食事療法です。摂取カロリーのコントロールができていない状態で運動をいくら頑張っても持続可能ではなく大体ダイエットは失敗に終わります。
減量するためには摂取カロリーを消費カロリーよりも少なく設定する必要があります。単純に食事摂取量を減らすのではなくバランスよく摂取し総摂取カロリーを減らします。
運動を怠り食事だけ改善しても体重は減りますが筋肉と脂肪が同程度に減り結果、体脂肪率は思うように改善しません。
食事の改善をせずに運動だけで体重を減らすには、1日30分~180分以上のトレーニングが必要で、中高生の部活動並みの運動量を毎日こなさなくてはなりません。現実的には持続不可能です。
体重減少よりも大事な事は体脂肪率の改善です。筋肉量を維持して体脂肪(内臓脂肪)だけをいかに削るかが肝要です。体脂肪率は女性は28%を、男性は20%を切ることが一つのゴールとなります。
体脂肪率の改善には食事療法が軌道に乗ることが前提ですが、筋肉量を維持して体脂肪(内臓脂肪)だけをカットするには筋力トレーニングが必須となります。有酸素トレーニングも併用すると、なお体脂肪率の改善に寄与します。
また減量のペースも大事で1ヶ月で2~4%のペースの減量のペースが妥当です、つまり80kgの方では1ヶ月で2.5kgのペースで減量するペースです。それ以上早く減量すると脂肪の分解以上に筋肉が分解されるペースが早くなります。巷には1ヶ月で5kg痩せたとか10kg痩せてすごいとかいう話を耳にしますが、私からするとそれはダイエットの失敗です。実際InBodyで計測するとそのような人たちは筋肉の減少が脂肪の減少を上回っており、体脂肪率は上昇します。
上記のデータは50代の男性で93.3kg BMI 28.5 体脂肪質は35%です。適正体重は72.1kgで余分な体脂肪は22kgあります。筋肉をキープして体脂肪だけ22kgカットすると最適なダイエットとなります。食事と運動を改善し筋肉量を維持し1ヶ月あたり3%つまりは2.8kg脂肪だけを減らして減量すると約8ヶ月で適正体重になります。しかしこの理想の減量をできる人はボディービルダーなどの限られた上位10%以下です。一般の人は食事、運動をできるだけ気をつけてもある程度筋肉量が減るので実際は12ヶ月ほどかかると考えます。ダイエットは短距離走ではありません。長距離走です。
アメリカのマンジャロの薬価は1ヶ月15万円程ですがイーロンマスクやハリウッドの女優などのセレブ達は減量目的で使用しており彼らにとっては安いので継続して使用しています。一般の人たちはいずれマンジャロを卒業せねばなりません。マンジャロでのダイエットプログラム中に食事と運動を改善して目標体重に到達後、マンジャロを減量し卒業する過程で食事、運動がマンジャロ投与前の状態に戻るとリバウンドして元の木阿弥に戻りお金の無駄になります。マンジャロ卒業後リバウンドしないためにはヘルシーな食生活を継続し運動を習慣にせねばなりません。目標達成後食事と運動を継続して是正すれば健康寿命が伸び将来の医療費が減り国の財政にもいい影響を与えます。喫煙者であればダイエットに成功した後禁煙を成功させようというモチベーションも上がりますし、当院ではニコチン依存症への薬物療法も可能ですのでさらに禁煙に成功すればさらに健康寿命が延長します。
当院では、体をよく使う仕事に従事して活動代謝が多いけれどもお酒好きでよく食べる陽気なメタボ男性にマンジャロを投与すると、副作用も少なく筋肉量を維持して脂肪のみが減少し健康的に10~30kg減量されるケースをしばしば経験します。一方で、40代以降のデスクワークの女性で、活動代謝が少なく体脂肪率35%以上の筋肉量が少ない方の成功率はあまり高くないように思います。当院に減量目的で来院される中年女性は運動を指導しても実践しない事が大きな要因と考えます。しかし体脂肪率が高くても運動を頑張る女性は良い成績を出します。これまでの経験上、陽気で食欲旺盛でお酒をよく飲む80~100kgの男性に薬がよく効く印象です。減量の足を引っ張る因子は感覚的にはデスクワーク、中年女性、飲酒量が減らない方が多いです。
当院のマンジャロ自費診療の対象者
当院のメタボダイエット外来の対象者は薬だけに頼ることなく、いずれマンジャロを卒業するために運動療法と食事療法も継続する意欲のある方です。
対象者のBMI:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 例えば身長171cm 体重75kgの場合 75➗1.71➗1.71🟰25.6
以下いずれかに該当する方が対象です。
- BMI 25以上で肥満に起因する内科的疾患のある方でマンジャロを開始し卒業後も食事、運動を始めとした生活習慣の改善を継続できる方
- BMI 25以上で運動、食事の改善に努めたが減量に失敗した方でマンジャロを開始し卒業後も食事、運動を始めとした生活習慣の改善を継続できる方
※薬だけで楽して痩せようとする方は対象外です。
※体組成検査でマンジャロの処方が不適格と判断した場合は処方できません。
※経過中食事、運動を改善する姿勢が全くない場合処方を中止する事があります。
診療費
マンジャロ2.5mg 20,000円(税込)/1カ月あたり
マンジャロ5.0mg 36,000円(税込)/1カ月あたり
※診察料込の自費診療です。
マンジャロの副作用
主な副作用は、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘などです。
膵炎、胆石胆嚢炎のリスクを上昇させる可能性があります。低血糖に関しては極端な食事制限をする場合リスクが上昇します。
マンジャロとの直接の因果関係ではなく10kg以上の減量のダイエットの過程で栄養不足から毛髪の減少、毛が細くなる事はまれに経験します。減量時はいわば飢餓状態となるので体が省エネモードに入るので生命維持の優先度が低い毛髪への栄養がセーブされる可能性があります。ダイエット終了後バランスの良い食事、適度な運度で再び毛髪が減量前の状態に戻ると考えます。
こちらもマンジャロとの直接の関連はないですが40代以降の男女で10kg以上の減量の結果、顔面の皮下脂肪が減り、たるみやしわなどのみための老化、いわゆるオゼンピックフェイスやマンジャロフェイスなどの症状が出る可能性があります。
対策として当院では現在レーザーを使ったレーザーによるタイトニングやジュベルック、レニスナなどのPDLLA製剤の注射が可能です。今後RFやHIFU、肌のresurfacing laserの導入も検討します。速効性のある治療は架橋ヒアルロン酸の注入ですが、現時点では信頼できる医療機関を紹介します。
マンジャロを処方できない方
- 妊娠・授乳中の方
- 胆石、胆嚢炎の既往のある方
- 膵炎の既往のある方
- 腹部の手術歴のある方
- うつ病等精神疾患の既往または現在治療中の方
- やせ体型の方
- 食事、運動を始めとした生活習慣の改善に努める事ができない方
※そのほか、薬の服用状況等によっては、処方できないことがあります。
初診にて、医師が判断します。
食事療法と運動療法について
食事
炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素やビタミン、ミネラル、食物繊維(1日で20g)をバランスよく摂取する必要があります。
1日3食摂取しましょう。朝食を抜く、1日1食等の極端な食習慣は避けてください。
炭水化物は毎食両手1杯は摂取可能ですが減量が不十分な場合は毎食こぶし1 個に減量してください。
タンパク質は1 日で片手4杯は最低摂取してください。
野菜、食物繊維(きのこ、海藻)は1日で両手3杯を摂取してください。
果物は1日でこぶし1個分摂取してください。
コーラ、ポカリスエットなどの清涼飲料水は糖質が非常に多いためやめましょう。アルコール1gあたり7kcalあるため過度のアルコール摂取は減量の足を引っ張ります。
余分な脂質はカットしましょう。
赤い肉よりも白い肉を(豚、牛よりも鶏の胸肉、魚、シーフード)を優先的に摂取しましょう。
白い炭水化物よりも茶色い炭水化物(白米を玄米もち麦、オートミールに、パンを全粒粉のパンに、うどん、ラーメンをそばに)を摂取しましょう。
視覚的に理解をするためにこちらの全国健康保険協会岡山支部のリンク先を参照ください。
ヘルシーな食材選びの標語としてまごわやさしいがあります。
ま=まめ 豆、豆腐などの豆類
ご=ごま ナッツ、アーモンド、キヌアなどの種実類
わ=わかめ わかめ、のりなどの海藻類
や=やさい 緑黄、白色など様々な野菜
さ=さかな 魚、シーフード
し=しいたけ しいたけなどのきのこ類
い=いも さつまいもやじゃがいもなどの芋類
運動
運動に関してはマンジャロは助けてくれないので努力を要します。マンジャロで食事が改善されても運動が改善されないと体脂肪率の改善は望めませんしダイエットの効果が半減します。
週150分以上の早歩き以上の強度の有酸素運動と週2,3回の自重あるいはマシンを使った筋力トレーニングが推奨されます。
1日30分週5回の早歩き以上の有酸素運動は最低限です。プール歩行やボクササイズ、球技など自分に合う方法を選択することも継続率を改善する工夫の一つです。有酸素運動の量を増やせば比例して体脂肪の減少が期待できます。
減量期は一種の飢餓状態なので体の筋肉と脂肪のどちらかを分解してエネルギーに変える必要があります。筋力トレーニングを全くしないと体質にもよりますが脂肪が減る量と筋肉が減る量が同じで結果体脂肪率が変わらない結果となり得ます。
筋力トレーニングをすることで筋肉を少しでも分解から合成の方向に傾けることができ結果、体脂肪率の低下が期待できます。
その他
睡眠は7時間以上に設定すると過剰な食欲の亢進が抑えられます。ストレスは食欲を亢進させます。昼夜逆転の仕事をしていると食欲が亢進しがちです。食事運動以外にも改善できる事は改善に努めてください。デスクワークよりも体を動かす仕事であるとより良いです。デスクワークの人はエレベータを控え階段を使う事を意識し活動代謝を増やすことに努めましょう。昇降デスクに入れ替え、立ちながら仕事をする事も一つの工夫です。
メタボダイエット外来診療の流れ
初診
既往歴を確認し問診で減量の妨げとなる問題を抽出します。2次性肥満が疑われる場合は採血を施行します。厚労省認証の医療機器InBody970(医療機器認証番号: 第302AFBZX00068000号)で患者様の体組成を測定し、プログラムの対象となる方には、院長が治療の流れや副作用、費用について説明し、運動療法や食事療法を指導し、マンジャロを処方し注射方法を指導します。マンジャロは1週間に1度の自己注射製剤です。
Inbody
体成分分析装置InBodyは、日本の厚労省に認証を受けた医療機器です。体組成計の最上位機種です。
体を構成する筋肉量・体脂肪などの体組成を定量的に分析する装置です。部位別の筋肉量、脂肪量が数値化できます。
再診
初回処方の2週間後に受診いただき、InBody970で体組成を確認するとともに、副作用の有無を確認します。
副作用がなく、減量の効果が認められれば、その後は1カ月おきに受診いただきます。オンライン診療には対応していません。
メタボダイエット外来関してご質問があれば、LINEで伺います。
※オンライン診療は行っていません。
非糖尿病肥満患者に対してのチルゼパチド(マンジャロ)の臨床試験結果(SURMOUNT-1)
2022年6月にThe New England Journal of Medicine誌に発表された海外の臨床研究(SURMOUNT-1)によると、非2型糖尿病で肥満による健康障害を抱えている患者に対して食事、運動療法併用下のチルゼパチド投与群で72週後に最大20%弱の減量を達成したという論文です。
N Engl J Med 2022 ; 387:205-216をもとに作成
未承認医薬品等(異なる目的での使用)
マンジャロ(チルゼパチド)注射薬は、医薬品医療機器等法において「2型糖尿病の治療薬」の効能・効果で承認されていますが、当院で行う減量目的での使用については国内で承認されていません。
入手経路等
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
国内の承認医薬品等の有無
チルゼパチドを一般名とする医薬品は国内で承認されておりますが、承認されている効果・効能及び用法・用量と当院での使用目的・方法は一部異なります。
諸外国における安全性等に係る情報
同一成分の注射製剤が米国FDAに肥満症治療薬として承認されていますが、海外でも痩身・ダイエット等を目的とした使用は承認されていないため重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。
医薬品副作用被害救済制度について
適応外処方のため、重篤な副作用が出た場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。