マンジャロの7.5mg以上は発売１ヶ月で出荷制限となり卸にもほとんど入荷がないようです。原因はアメリカの爆発的な需要の増加で日本への供給が少ないからです。アメリカでは一ヶ月の薬価が２８万円程１４万円程と日本の３〜２０倍の価格で売れるのでアメリカが本社の株式会社であるイーライリリーは利益を追求するためにアメリカに優先的に出荷している事と、2.5mgでも15㎎でも薬価２８万円１４万円なので、より減量効果の高い高用量が選択される結果、アメリカで敬遠される2.5mgと5mgしか日本に回ってこないし、5mgでもHgA1Cを下げる効果が十分あるのでまぁいいだろうという経営陣の判断だと推測しています。マンジャロが中長期的に利益をもたらす事は確定的なので設備投資を急げばゆくゆくは供給不足は解除される事を希望しますが、イーライリリーは数年後に発売される、より減量効果の高い薬剤も控えていますし、競合他社の開発の進捗次第で設備投資が水泡に帰す可能性もあるためこちらが望むほどのスピード感を出せないのかもしれません。製薬業界はある意味ギャンブルの世界で経営陣は投資家の強い圧力に晒されるので、彼らがみている景色は私達の見ているそれとは全く違うものだと思うので、しようがない部分ではあります。

日本は衰退途上国でお金がないので薬価も安く外資系のメガファーマには魅力がなくなっているのでこういった現象が生じ、今後も薬がない状況は続くと見られます。

8/7にオゼンピックの需要増に供給が追いつかず出荷制限がかかりました。オゼンピックと同じセマグルチドが主成分であるウゴービに関してもアメリカを中心に爆発的に需要が増加しています。アカデミー賞に出席する俳優やイーロン・マスクも体重管理目的で使用しています。アメリカでの１ヶ月の薬価は１３万円１９万円ですが日本ではせいぜい１〜５万円程と推測しています。マンジャロ程の日米の薬価の差はないですが日本は魅力的な市場でないと判断され、優先順位の下位とみなされ当初９月発売かなと考えていましたが、発売時期は不明へと私の個人的な見通しを修正します。　８月の薬価収載は見送られました。おそらく年内は絶望的かと考えます。

ウゴービが想定外に早く11月22日付で薬価収載されます。

供給量が圧倒的に少ない事と、適正使用の厳格化を目的に総合病院や大学病院などの大きな病院でしか処方できないことが確定しました。クリニックレベルでは処方できません。２０２４年２月２２日発売です。

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数年後供給量が十分となれば施設要件は解除されてクリニックレベルで処方可能となると思いますが肥満症治療薬という特殊性から医師要件の循環器専門医、糖尿病専門医、内分泌専門医や管理栄養士の常勤が必要等の要件は維持されると思います。その際は当院でも処方可能となると思います。それまではメタボ・ダイエット外来は準備中とします。

メタボリック症候群に対するウゴービの心血管イベントを減少させる効果が認められた事から食事療法、運動療法に取り組んでいるにも関わらず結果が出ないメタボリック症候群の患者さんの治療に私は早く取り組みたいですが、発売までしばらく待たねばならないようです。

しかしながら薬に頼らず、古典的な食事、運動療法でメタボを卒業できる人も少数ながらいる訳で、朝１時間早く起きてまずはウォーキングから次第にランニングへ徐々にスピード、走る時間を増やし、筋力トレーニングも併用し、外食を止め、アルコールを減らし、１日３食摂取し、食事の内容を健康的な和食中心で白米を玄米やオートミールに変え、野菜やきのこ、海藻などの食物繊維多く摂取しタンパク質を体重当たり１〜１．５ｇ/日摂取して、動物性の脂質をオリーブオイルやオメガ３，９の脂質へ変え、早食いをやめて、野菜からたべて最後に炭水化物を摂取し、よく噛んで腹八分目とし、十分な睡眠をとり、ストレスを減らすよう諸々改善すればお金をかけずにメタボを解消できることも事実なので生活習慣の是正に引き続き取り組みましょう。